プライバシーマークをやめると考えるに至った理由とは?(プライバシーマーク取得辞典)
個人情報の保護が重要課題となっている昨今、プライバシーマークを取得する企業や団体が増えています。
しかしその一方で、取得したプライバシーマークの使用を中止する企業や団体も増加中です。
現在は公開されなくなりましたが、以前は使用を中止した企業や団体について、ホームページ上で公開されていました。
ホームページではかなりの数の企業や団体が掲載されていたので、やめることも多いと思われていたのです。
企業や団体がお金や時間をかけて取得したプライバシーマークの使用を中止するに至ったのは、様々杏理由が考えられます。
やめる理由として多いのは、企業や団体にとって負担の大きい制度だからです。
使用し続けるためには、PMSを継続的に運用しなければいけません。
日常的な業務に加えてPMSの運用もする必要があるので、従業員の負担は増大します。
またPMSは運用するだけではなく、正しく運用しているという記録も残さなければいけません。
取得すると、これまでの業務に加えさらに負担が増えるので、企業や団体の生産性は落ちます。
また、プライバシーマークは一度取得すれば、それで終わりではありません。
2年ごとに更新をする必要があり、1年に一回は内部監査をする必要があります。
さらに1年に一回、全従業員を対象にした個人情報保護教育も実施しなければいけません。
個人情報保護教育の対象となるのは、正社員だけではありません。
非正規社員もパートやアルバイトも、採用時に個人情報保護教育をする必要があるのです。
取得してこれだけの負担が増えても、個人情報の漏洩を完璧に防ぐことはできません。
徹底的に教育を施しても、個人情報を取り扱う従業員は人間です。
単純なミスから個人情報が漏洩することもありますし、意図的に漏らす可能性すらあります。
取得しても個人情報を取り扱うのは人間なので、リスクは依然として存在し続けます。
リスクが存在し続けるなら、取得までにかかる負担や取得後の負担を考えるとメリットが多いとは言えません。
対外的なイメージは向上しても、企業や団体の活動に悪影響を及ぼせばメリットは感じられないでしょう。
取得してみるとデメリットも多く感じられるので、やめる企業や団体も増えているのです。
もちろんやめる企業や団体の全てが、こうしたデメリットだけが理由ではありません。
倒産や合併などの影響で、やめる企業や団体もあります。
しかし、プライバシーマークを取得するときは、デメリットについても考えておきましょう。