プライバシーマークは意味がない?状況によります
プライバシーマークという制度に対してはさまざまな意見が出されており、その中では「取得することに意味がない」というようなものも見られるようになりました。
確かに昨今続くプライバシーマーク取得企業の個人情報流出などをみると、そうした意見が出てくることもある程度仕方の無いことだと言えるでしょう。
ですがしかし、完全に意味がないと言いきってしまって良いのかと言われるとそうではありません。
まずそもそもこのプライバシーマークというのは、制度的に「個人情報保護に対して取り組みをする意思があるか」という点を重視していることは重要です。
書類と申請料を日本情報経済社会推進協会に対して渡し、その後現地審査を行ったうえでマークの取得にふさわしいかどうかが判断されます。
そしてその現地審査の際には何かしらの改善点が指摘されることが多く、この改善を行ってから再び審査を受けるという手間があります。
プライバシーマークというのはそもそもこうした手間をかけてまで個人情報を保護していることを伝えたいという企業の姿勢を見せる意味が強いのです。
もちろんその後継続するのであれば二年おきに更新審査が行われて個人情報保護が問題なく行われているかどうかの確認がされますが、しっかりと制度を続けていれば更新審査で通過できないということはあまりありません。
よってこのマークは「私たちは個人情報保護をしっかりと意識し、努力をしています」という姿勢を見せる意味が強いのです。
マークのことを知っている人が見ればそのように理解してくれますから、これだけでも意味がないとは言い切れないでしょう。
またプライバシーマーク取得から継続には社員全員に対して個人情報保護の意識を持たせ続けることが必要になります。
社員に対して個人情報の持ち出しを禁じる、流出させるなどはもってのほかというように理解させることを徹底するきっかけになるということも、この制度の重要な意味であると言えるでしょう。
実際、ここ数年で発生した取得企業における個人情報流出事件に関しても会社自体はある程度しっかりとそうしたことを伝えていたことが確認されています。
ただ残念ながら一部の社員の意識不足や業務上のミスによって流出が起きてしまったと言うだけの話なのです。
マーク取得はそれぞれの企業の自由意思によって決められるべき部分ですから「絶対に取得しなくてはならない」というものでもありません。
しかし個人情報保護の必要性が一層叫ばれるようになった昨今においては、取得する意味もそれなりにあるのです。"