プライバシーマークの問題点とは?(プライバシーマーク取得辞典)

プライバシーマークの問題点とは?(プライバシーマーク取得辞典)

プライバシーマークの問題点とは?

高度情報化社会と呼ばれるようになって久しい現代の日本において、プライバシーマークの取得を目指す企業の数は毎年増加しています。

 

しかしながらこのプライバシーマークには制度としていくつかの問題点があるということも事実です。

 

 

ではその問題点としてはどういったものがあるのかというと、まず大きいのが「形骸化しつつある」という点です。

 

 

もちろん取得をした時点では一定の基準を満たしている、審査を通過しているということの証明になるのですが、このマークは一度取得した後二年間有効です。

 

その後は二年ごとに再審査を受けて継続の可否が判断されるのですが、逆に言えば「一度取得した後二年間は事件さえ起こさなければ無条件で持つことが出来る」ということになるでしょう。

 

 

実際そうした点に目を付けて、ただマークを取得できる水準を満たしておいて他には特段の努力をしないという企業もそれなりに見受けられます。

 

 

そうした状況は問題であるために今後是正が必要になってくるでしょうが、少なくとも現段階においてこのマークがあるから社会的に信用を受けられるのかと言われると、無いよりは良いことは確かであるもののそこまで高い効果は期待できないのです。

 

 

また同様にここ数年の動向をみると「プライバシーマークを取得した企業が個人情報を漏えいさせる事態が見られる」ということも押さえておくべきポイントです。

 

例えば2007年には大日本印刷が取り扱うカードの顧客情報15万件が流出、2011年には三菱電機インフォメーションシステムズが図書館の利用者情報116人分を流出、そして多くの人にとって記憶に新しいように、2014年には3504万件というこれまでに無かった極めて大きな個人情報流出事件がベネッセ社で発生しました。

 

 

もちろんこれら全ての企業はプライバシーマークを取得していた企業です。

 

それであるにも関わらずこうした個人情報の流出事件が発生しているという時点で、先に述べたように審査の時点で基準を満たしていることの証明として程度にしか機能していないという見方が強まっています。

 

またこうした事件においてマークの使用許諾が取り消されたり一時停止される形で処分が行われていますが、失われた信用のことを考えると処分としてはまだ軽いものがあると言わざるを得ないでしょう。

 

 

これらの問題点を踏まえると、プライバシーマークを取得することはあくまでも過程の一つであり、本当に目指すべきなのは正しいプライバシー情報管理とそれによる信用の蓄積であると言えます。


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